【ラグビー部 ジュニア入替戦 観戦記】2017.12.04

専大ジュニア、入替戦を制してカテゴリー2に昇格!

プレミア、ジュニアとも開幕から連勝を続けてきた専大にとってW昇格が今季の二大目標。
カテゴリー優勝はまだ何も掴んだわけではない。
一週間後にプレミアの入替戦を控えた12月2日、ジュニア選手権の入替戦が行われた。

相手はリーグ戦1部を5位でフィニッシュした中大。
大学選手権出場はならず、この試合が今季の最終戦。
どうしてもカテゴリー2にとどまりたい中大はキャプテンのLO、レギュラーのPRの2名を含むAチームのリザーブをズラリと並べた。
なりふりかまわず残留を目指す布陣だ。

一方、専大は完全なBチーム。
FL吉國の他はPR網谷がメンバー入りするか微妙というところか。
目をひいたのは7人制日本代表のWTB野口が今季初めてメンバー入りしたことで、秘密兵器感が漂う。
この野口を入れるために、本来、SHのリザーブ枠を削ったのは、Bチームのキャプテン佐藤悠に対して「この試合はお前にまかせる」という監督からの熱いメッセージも込められていただろう。

とはいえこのメンバーで実質1・5本目の中大に勝てるのか? 
スクラムは安定して組めるのか? 試合前は不安な気持ちもあった。
が、試合が始まるとその不安はあっという間に払拭された。
キックオフ直後から優位にゲームを進め、9分には相手陣ゴール前のスクラムからSO石原がスッと相手ディフェンスの間を抜けてトライ。
今季、よく見る石原の得意プレー。
さらにFL佐藤匠がトライを取って前半20分で14-0。
心配されたスクラムはむしろ押し気味でなんの問題もない。
ラインアウトは175cmのLO小南を185cmの佐藤匠と182cmのPR束田がリフトすると完璧な高さ。
LO石井のキャッチもノーミス。

中大に1トライを返されたが、即座に木元がトライを取り返して21-7。
が、ここから専大は自陣ゴール前でエリアを取るキックを蹴らずにボールを回してミス。
相手ボールのラインアウトからモールでトライを取られる。
さらにもう一本、39分にミスからモールでトライを取られて前半は21-19で終了。
いやな終わり方をした前半だったが、不思議と重圧感はない。

前節の青山戦も前半はリードされていたのだから、それより強い中大にリードしての折り返しは上々の出来。
まして後半は前半にも増してパワーアップするのが今季の専大。
そしてその通りに後半開始早々片岡のトライで突き放しにかかる(26-19)。
後半24分には水野が左隅に飛び込んでトライ。170cmと小柄ながら85kg。
上半身も下半身もますます太くなり、強烈なハンドオフを見舞いながらタッチライン際を突進する
(タイプは違うが同じく人に強いWTB山﨑と来季は池田の抜けたポジションを争うはずだが、どちらも甲乙つけがたい)。

しかし中大も反撃に出て27分にボールをつないでトライを返す(31-26)。
このボールのつなぎの間に中大のノックオンがあったように見えたがプレーは継続された。
まあしかしこれは仕方がない。相手は格上、かつアウェイなのだから。

問題は5点という得点差で1トライを取られれば同点。
そこでゲームが終われば中大の残留となる。
ノーサイド直前、ペナルティを得た中大はタッチキックを選択。
専大陣に深く入り込んでのラインアウトとなる。
が、ここで痛恨のノットストレート。
マイボールとなった専大はスクラムからじっくりとアディショナルタイムを使い切り、最後は片岡がゲームを切ってノーサイド。
カテゴリー2昇格を決めた。

涙を拭う佐藤悠キャプテン。
後半、自陣ゴール前のマイボールスクラム。
キックでエリアを取るしかないように見えた状況で、果敢にブラインドサイドを突破。
持ち味のスピードでハーフライン近くまでエリアを戻した。
今季初スタメンのCTB高埜はハードタックルで突進してくる相手を止めた。
網谷、松岡、束田、小南、石井のFW1-2列の5人。
「一皮むけて欲しいと思いつつ、ホントにダイジョブか?」と思ってしまって正直スマンカッタ! 素晴らしかった!

これで昨季はカテゴリー4だったチームが来季は筑波、早稲田、法政、日大と対戦することになる。今から楽しみでならない。
このチームの何よりの功績はシーズン全勝を途切れさせることなく、W昇格の目標の一つをクリアしたことだ。
残された試合は関東学院とのリーグ戦1部2部入替戦のみ。
この日のゲームをピッチ脇で観戦したAチームの面々が燃えないわけがないだろう。
プレミア、ジュニア合わせて開幕からシーズン12連勝。
13連勝目は待望の1部復帰の試合となる。

関東大学ラグビー リーグ戦 1部2部入替戦
専修大学 対 関東学院大学
12月9日 熊谷ラグビー場Bグラウンド 14:00KO

(この試合はJSPORTSオンデマンドでも生中継があります)

文責:京谷六二