SENSHU RUGBY 2018 ~ 18シーズンぶりの中央戦勝利。絶対に負けられないラスト2に高橋主将復帰!


3シーズンぶりに戦う2018年関東大学リーグ戦、専修は前半戦を終了して1勝3敗。

今季の目標が大学選手権出場だっただけに、その権利のある(今年にかぎって)3位以内の望みがなくなったのは残念だが、大東、東海、流経の上位3校とは力の差があったのは事実。必勝を期した法政戦に勝利することができたのだから、ここまでの戦いはある意味で想定通りと言える。
後半戦の相手は昨季の下位校である中央、日本、拓殖。ここからは一つも落とせない試合となる。

10月28日、熊谷ラグビー場Bグラウンドで中央戦が行われた。
今季のスタッツを見る限りもっとも与しやすい相手に見えるが、無論、専修にラクな相手は一つもない。
中央は当初のメンバー発表には名前のなかった侭田(SO)を最後に入れてきた。高校日本代表、U20日本代表で昨年は1年ながらベスト15に選ばれた選手。怪我をしていたようだが、その侭田を入れて来たことに中央も必死のほどが見える。

試合はキックオフと同時に押し気味の展開が続くがなかなか点が入らないジリジリとした展開が続いた。昨年、同じ場所で行われた入替戦を想起させるような内容。
こうしたなか20分に攻め込まれた中央が自陣で反則。ペナルティを得た専修はPGを選択。松浦がこれをキッチリと決めて先制。とりあえずスコアを動かすという意味でいい判断だった(3-0)。

これでリズムが出てきた専修は27分、敵陣内でのマイボールスクラムから石川→小田→郡司とつなぐと郡司がダイナミックな走りでラインブレイク。最後は縦に入ってきた夏井大樹にオフロードパス、夏井がゴール下に走り込んだ(10-0)。

さらに前半終了間際、敵陣内でのラインアウトからFWがゴール前に攻め込むと、佐藤がキッチリとトライを取り切って17-0。今季ここまでの試合ではこの時間帯に必ず失点していたが、ようやく悪い流れを断ち切ることに成功した。

後半は11分に佐藤が再びトライ(佐藤はこのゲームのMOMに選ばれた)。24-0となる。これで3T3Gを取られても逆転されることはない。が、昨年の入替戦では前半終了時に33-7と26点差がありながら、最後は5点差まで詰め寄られて肝を冷やしたことを考えれば、とても安心できる点差ではない。
一つのトライでチームのムードもサポーターのムードもガラッと変わることはよくあることだ。
もちろん強いチームなら、ここから一気呵成に点を重ねていくことができるが、専修にはまだそこまでの力はなく、相手が簡単にあきらめてくれるほどの貫禄もない。まして中央はこの試合に負ければ最下位の可能性も高まる。

案の定、ここから中央の反撃を受ける。後半23分に専修ゴール前でペナルティを得るとFWがタップをして攻め込んできてあっさりと失点。
これに対して専修は後半26分に敵陣でペナルティを得て松浦がPGを狙う。決まれば20点差まで戻せる場面、松浦のキック力からすればイージーだと思われたが、珍しくこれを失敗。中央に傾きつつあった流れを止めることはできなかった。

後半32分、専修陣22Mの内側からの中央ボールのラインアウトでしっかりモールを組まれるとそのままゴールに雪崩れ込まれて失点。24-12。だが、さほど難しい位置ではなかったゴールキックに、後半20分から入っていた野口(セブンス日本代表)が驚くべきスピードでプレッシャーをかけるとゴール失敗(本当にボールに手が当たりそうだった)。10点差と12点差。たった2点だが、勝敗の行方がやや混沌とし始めた場面でこれを防いだのはとても大きかった。

後半37分、中央はペナルティから素早くボールを動かすと、最後はタッチライン際を走ったバックスがインゴールへキック、これを自分でゴール隅に抑え込む。が、ゴールは失敗して24-17。残り時間は少ないものの同点はあり得る。

しかしキックオフ直後のボールの争奪戦で中央がペナルティ。これを今度は松浦がキッチリと決めて27-17として安全圏に逃げ込んだ。

中央戦の勝利は2000年以来18シーズンぶり。これで後半戦の第一関門を突破した。が、まだ安心はできない。自力で4位の可能性がある一方で入替戦の可能性もある。まずは入替戦回避を確実なものにするため、日大に勝つことがなによりも重要だ。

相手は外国籍選手4人(うちスタメン3人)プラス目黒学院出身の留学生選手がいるという布陣。ただしFWの3選手はジュニア戦ですでに対戦済み。この時は33-36で負けたが、日大がスタートから彼ら3人を入れてきたのに対して専修はBチームだったことを考えれば恐れることはない。
日大との公式戦は2014年の入替戦以来。あの時も留学生はおり、単純に戦力差を考えれば、現在とは比較にならないほど相手が上だった。
日大に勝てば、入替戦回避とともにリーグ戦四大学のライバル校、すべてに勝つことになり(29シーズンぶり)、長きにわたって傷つけられたプライドも少しは癒やされることになる。

なお、この試合に向けて大きな朗報がある。
春シーズン以来、怪我のために出場できなかった高橋昂平キャプテンがようやく復活、リザーブに入ることができた(ゲームキャプテンは松浦)。
昨年の快進撃の主役は間違いなく高橋−郡司のハーフ団にあった。その大黒柱がようやく戻ってきたのだから、チーム、そしてサポーターもモチベーションは上がらざるを得ない。
リーグ戦の上位4校入りを目指して絶対に負けられないラスト2。
ノーサイド後の高橋キャプテンのサポーターへの初挨拶は勝利の報告になるだろう。

【関東大学リーグ戦 1部 第6節 vs日本大学】
11月17日(土) 14:00KO(セナリオハウスフィールド三郷)
1.石田 楽人
2.宮本 詩音
3.栗山 塁
4.山極 大貴
5.殿元 政仁
6.坂本 洋道
7.佐藤 匠
8.石川 恵韻
9.小田 剣
10.郡司 健吾
11.夏井 勇大
12.夏井 大樹
13.光吉 謙太郎
14.山﨑 凌太郎
15.松浦 祐太(C)
16.網谷 龍太
17.小栗 冬雅
18.森重 慶司
19.田邊 和希
20.志賀 亮太
21.高橋 昴平
22.檜山 成希
23.澤田 歩武

 

2018 関東ラグビー リーグ戦
11/17 日本大学 セナリオH三郷 14:00
11/25 拓殖大学 前橋敷島 11:30

文責:京谷六二